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バイリンガルとは

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バイリンガルとは言うまでもなく、2ヶ国語を母語とする人のことです。

が、あまり知られていないのは、話す・聞く・読む・書くの4技能全てにおいて、母国語としてのレベルを保っている「真性のバイリンガル」(言語学では"二重バイリンガル"と言います)は、極めて少ないという事実です。

ほとんどの場合、4技能のうちのどれか、まあ大抵は読み書きの能力が、母語に比べて劣ります(言語学で"偏重バイリンガル"と呼びます)。あるいは、両言語の能力の差はないが、いずれも母語話者の能力には及ばない、という場合もあります(平衡バイリンガル)。

バイリンガルと呼ばれる人のほとんどが、ほぼこの偏重・平衡バイリンガルの範疇に入ると言われています。

ですから、家庭でバイリンガル教育をしていこうと考えている場合、4技能全てを母国語にしようと考えるのは、子どもにとって負担が大きすぎると言えます。思考の核となる、第一母語をどちらにするか。そのことを、よく考えてあげてください。でないと、どちらの言葉も中途半端、ということになってしまいかねません。

お子さんが健やかに、父親・母親両方の言語を使えるようになるために、親御さんもいろいろと心を砕いてあげたいですね。

バイリンガル育児、心構え

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バイリンガル育児、2ヶ国語子育てをするにあたっての心構えです。

国際結婚をして、子どもができた・・・。

もちろん理想は、バイリンガルに育てることです。でも現実にはとても難しい、ということは、あらかじめ知っておいてください。

「子どもは柔軟だから、2ヶ国語をスポンジのように吸収する・・・。、それは正しいですが、間違っています

たしかに子どもは、大人から見れば実に柔軟に2つの言語を習得していきますが(親がその気になってバイリンガル子育てをしていれば、です・・・)、一ヶ国語話者の子どもより、多くのハードルをその努力で乗り越えているのです。

昼間は現地の学校で現地語で勉強、夜はパパorママといっしょに日本語の漢字の勉強・・・。そんな生活が、子どもの脳にとって負担にならないわけがありません。

ですから、親も子どもの手助けをしてあげるために、多少の自分の時間を犠牲にしてでも頑張る。この覚悟が必要です。特に、お父さんが日本人の場合ですね。仕事で忙しく、なかなか子どもの日本語教育の面倒までは見てやれないかもしれませんが、それではバイリンガルへの道は遠のくばかりです。

そういうことは、バイリンガル育児のまず最初の心構えとして、頭に入れておいてください。

話す・聞く/読む・書く。子どもの言語能力の発達

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国際結婚夫婦で外国住まい。そのような環境でも、子どもの能力とは素晴らしいもので、特に聞く・話すに関しては、それほど気を使わなくても、結構自然に上達していくものです。

もちろん、父親は父親の母語で、母親は母親の母語で、赤ちゃんのころからたくさん話しかける様にしてあげる大前提。言葉が少し遅いとか、若干ネイティブらしくない言葉の使い方が混じっていたりするとかは別の問題として、少し横においておきます。

で、聞く・話すについては、それほど気を使わなくても自然にある程度までは上達していくものですが、読む・書くに関しては、かなり気を使わないと全く上達しません

ローカルスクールへの通学のみ、ローカル+日本人補習校、日本人学校のみ・・・。お子さんの生活パターンはこのうちのどれかでしょうが、日本人学校に通わないなら、日本人親が積極的に読み書きのトレーニングをしてあげないと、能力は全く伸びようがありません。

もちろん、片方の言語だけ読み書きが十分出来ればいい、という考えもあります。各家庭で考え方が違うでしょうし、正解がある問題でもないので、それはそれで、もちろん構いません。

ただ、子どもを読み書きの面でもバイリンガルに近づけようと思うなら、日本人親の頑張りが必要なことも否めません。仕事など忙しいでしょうが、覚悟を決めて^^お子さんと一緒に頑張ってあげてください。

海外で暮らす子どもの日本語の特徴

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海外で暮らす子どもの日本語の特徴について、アメリカで現地校と補習校両方で学んでいる子どもたちの言語力が調査されています。

その調査によると、"一般的に"(個人差がもちろんある、という意味です)、海外に出た年齢が低ければ低いほど、また外国に長くいればいるほど、日本語力が落ちるという結果が出ています

ただしこの『日本語力が落ちる』とは、日本語がだんだん下手になるということではありません

子どもの日本語力は、補習校などで学んでいる(又は親がきちんと教えている)限り、少しずつ伸びていきます。ただ、その上達速度が遅いので、日本の同年代の子どもたちと比べるとどんどん差がつき、結果として「下手になっていく」ように見えてしまうわけです。

ここからは私個人の考えですが、前項『バイリンガルとは』で「読む・書く・聞く・話すの4技能全てにおいて完璧なバイリンガルになれる人は、ほとんどいない」と書いたとおり、2ヶ国語ともに完璧を目指す(目指させる)のは、子どもには酷であると思います。

メインとなる言語をどちらかに決め、その言語についてネイティブレベルになることを目指すのが、まずは適当な目標だと思うのですが、いかがでしょうか。

コア言語

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言語学の第二言語習得理論によると、「完全なバイリンガル」というのは極々少数しかいないそうです。ここで言う「完全なバイリンガル」というのは、話す・聞く・読む・書くの全ての技能がネイティブレベルのバイリンガル、ということ。

「普通のバイリンガル」は、4技能のうちのどれかに、必ず差が出るということです。悪くすると、2つの言語どちらも中途半端、ということにも...。で、2ヶ国語話者でも完全に4技能をこなせる第一言語を、「コア言語」と言います

2つの言語を全ての技能でパーフェクトに、というのは、子供にとってあまりにも負担が大きいように思います。ですから、完全に4技能をこなせる第一言語、「コア言語」を、日本語にするかパートナーの母語にするか...。バイリンガル育児を始めるにあたって、パートナーとよく話し合っておくべきことです。

ちなみに我が家では、小学校の娘はベトナム・ローカルの学校に通っているので、このまま行けばコア言語はベトナム語になるのは必定。でも、やっぱり日本語をコア言語にして欲しいな...という思いがあります。

私は文学好きなので、ぜひ子供たちにも「文学作品を味わって」もらいたい。深い思索を、日本語でできるようになってもらいたいのです。

ベトナム文学に造詣がないので断言はできないのですが、書店にある書物の総量からみて、多分日本文学ほどの豊穣さは、ベトナム文学にはないのでは...。ですから、コア言語はぜひ日本語に、と思うのです。です、が...。

日本人学校に通わせるお金はありません...(汗)。

もっと稼がねば・・・。


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