食事のマナーの話

海外で育った子どもは、育ったその国の習慣を身に着けるものです。そうすると、日本へ帰国した場合など、外見や言葉は全く日本人と変わらなくても、ものの考え方や思考法、行動パターンが全く日本人と違ってしまう、ということもあります。

そんな話の一つの例として、実際にあった話を・・・。

ラーメンやうどんなどの麺類を食べる行為を、日本語では「すする」と表現します。「すする」は、「音を立てて口の中に入れること」ですが、その言葉からもわかるように日本では、麺類は音を立てて食べるもの。逆にあの音が、麺類のおいしさを感じさせることにもなります。

ひるがえって、日本以外の国で、麺類を音を立ててすする習慣がある国はあるでしょうか・・・。私にはパッと浮かんできませんが、国際的にはむしろ少数派です。

そのため、日本に帰って、おじいちゃんがお蕎麦をすごい音をたててすすったのを見て、目を大きく開いて驚いた子がいます。そして、たまりかねて、おじいちゃんに「食べるときは音をたててはいけない」と注意したそうです。

もちろん、その子はおじいちゃんに正しいことを教えただけと思っていましたが、ご両親は、年輩のおじいちゃんにそのような「指導」をした娘を見て、非常に恥ずかしかったそうです。

このサイトをご覧の方は、日本以外の国を、今後も生活の拠点にしていく方が多数でしょう。ですから、日本の習慣を教える必要が、そもそもあるのか?という疑問もあるかと思います。

もちろんそれぞれの家庭の環境や考え方は違うでしょうから、100%の正解などあるはずがありません。あなたどのように、そしてどこまで日本の文化を教えていくか、「バイカルチャー」について考える縁になればと思います。



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