「ダディー」と「お父さん」

カナダに住む、日英バイリンガルの女性の話です。

彼女は10歳まで日本で育ち、以後大人になる現在までカナダで暮らしています。『多文化の処方箋』という本に詳しく書かれているので、詳しくはそちらを手に入れていただきたいのですが、

「もしも『ダディー』とつぶやかれたら、やさしくほお擦りしてキスしてくれる父親を心の中でイメージしてしまうし、『オトウサン』とつぶやかれたら、黙して語らない自分の父親(日本人)をイメージしてしまう」

そうです。

彼女はカナダで育ったため、精神構造は完全にカナダ人。「父親の愛情表現とは抱きしめてキスをしてくれるもの」という文化のなかで育ったがゆえに、寡黙で頑固な自分の父親に対し、「自分を愛していない」という疑念を持ってしまい・・・。

もし彼女が日本で育てられたなら、このような感情、誤解は生まれようがなかったはず。国際結婚・海外移住夫婦には、実に考えさせられる話です。

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